ママとパパのための
年齢別子育ての気がかりMAP

気がかりMAPについて

子育てや保育を通して日々かかわっていると、
いろいろな気がかりを感じてしまうものです。
それは、言い換えると子どもとちゃんと
向きあっている証です。

そんな日常的なよくある気がかりを、
子育て中のママさんたちや保育者さんの協力を得て、
年齢別に整理してみました。
普段から見てもらえる場所へ、貼る等して
ご活用ください。
「みんな同じようなことが気になっていたのね」
「私だけじゃなかった」
「誰かに相談してみてもいいのね」と
感じるきっかけになれば幸いです。

気がかりMAP

  • 保護者の方々へ
    どこから見ても、読んでもOK!中面の「気がかり度」や年齢、内容は一例です。ここにない「気がかりなこと」は、直接MAPに書き込んでみてもいいですね。子育てで大変な時期が過ぎた時に、よい思い出と振り返ることが出来ますように。
  • 保育施設の方々へ
    子育て中の方々が感じている不安や「気がかりなこと」について話すきっかけに、また、職員間での連携や情報交換のきっかけなどに、ぜひご活用ください。
横へスワイプすると
ご覧になれます。
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教員からのメッセージ

  • 教授
    板野 晴子 (いたの・せいこ)
    専門分野 / 教育学
    音楽に合わせて手足やお尻をフリフリ、あ~ぅ♪と声を出す我が子を見て、「うちの子は天才!」と思いませんか?そうです、子どもは音楽表現の天才なのです。子どもの感性がスポンジのように柔らかいうちに、家族みんなで一緒にたくさんの歌を唱ったり、踊ったりして楽しみましょう。大人になってその歌を思い出すとき、家族との素敵な時間も心に思い出されるはずです。
  • 教授
    大竹 智 (おおたけ・さとる)
    専門分野 / 子ども家庭福祉学
    これまで私たち大人は、子どもたちにあるべき姿、目指すべき子ども像(「〇〇できる子」等)を掲げ、そのことに何の疑いを抱くこともなく、子どもの幸せを願って一心に取り組んできたように思います。しかし、今日では大人が作った枠組みに向かって行くこともできず、生きづらさを感じながら生活している子どもたちがいることもわかってきました。まずは子どもたちの声に耳を傾けることから始めてみましょう。
  • 教授
    大平 滋 (おおひら・しげる)
    専門分野 / 教育学
    子どもは遊びの天才です。子どもが遊びこんでいるとき、夢中になり、自分らしくいるときです。この遊びそのものまで、ゲーム機器などにより、操作された対象となり、子どもが主人公のあるがままの遊びが失われています。遊んだことによって創造性が育つとか力がつくとかという目的志向でなく、ただ、遊ぶのです。遊びは自由そのものです。大切にしたいものです。
  • 教授
    奥富 庸一 (おくとみ・よういち)
    専門分野 / 幼児体育
    外で自由に遊べるような環境が少なかったり、人と人との距離やマスクなど、制限が多い中で大変なことと思います。可能な限り、からだ全身を使った運動遊びや親子ふれあい遊びのようなじゃれつき遊びがたくさんできるといいですね。子どもたちはふれあいや遊びの中で心とからだを豊かに育て、人との関わりを学んでいきます。たくさん遊び、たくさんご飯を食べて、しっかり寝て、一日一日元気に過ごせますように。
  • 教授
    志村 聡子 (しむら・あきこ)
    専門分野 / 教育学、教育史
    娘が2歳か3歳のころ「ママはここにいて!」と言われたので隣に座り、遊び方を助言したら「しゃべらないで!」と言われました。隣にいてほしいけど、指示はしないで、ということだったようです。存在が傍らにいるだけで安定し、それで自身が遊びに専念できることを知っていたようでした。「ゆったりとそこにいる」(『保育所保育指針解説』116頁)、そんなひとときを、短い時間でも作れたらいいですね。
  • 教授
    村尾 泰弘 (むらお・やすひろ)
    専門分野 / 臨床心理学
    子どもの視点に立った子どもの理解と対応、また子どもの発達段階に応じた理解と対応が大切だと思います。これらの視点を大切にしたいものです。
  • 教授
    石橋 昌雄 (いしばし・まさお)
    専門分野 / 社会科教育学
    子どもの成長は大人では想像ができないほどのスピードで、数日見ていないとできることがどんどん増えます。あっという間に立ち上がり、あっという間に話しだし、あっという間に大きくなります。それなのに、お肌はすべすべ、体はしなやか、目はぱっちり、頭が大きくても倒れない、いたずらしても可愛がられる。うらやましい限りです。
  • 特任教授
    佐々原 正樹 (ささはら・まさき)
    専門分野 / 教科教育学
    子どもとの関わりには「相見る」「並び見る」「見守る」があります。「相見る」は子どもと向き合い、子どもの思いに寄り添い、丁寧に関わること、「並び見る」は、横並びで子どもと一緒に同じものを見て、語り合うことです。このような関わりの中で子どもは安心感を育み、やがて一人で世界を冒険するようになり「見守る」関わりが生まれます。この3つの関わりを大切にしてください。
  • 准教授
    藤高 直之 (ふじたか・なおゆき)
    専門分野 / 社会福祉学
    子育ては、お子さん・お母さん・お父さんが中心ですが、地域には多様な子育て支援が行われています。例えば、日中の居場所支援や子育て家庭の交流の場となる「子育て支援センター」や「児童館」などがあり、保育士さんなどの心強い専門職もいます。また、地域住民同士で助け合いながら子育てが出来るファミリーサポートセンターも増えています。家族だけで抱え込まずに、相談してみてください。
  • 准教授
    山田 修平 (やまだ・しゅうへい)
    専門分野 / 教育学
    子どもの絵は、【自分なりの表現】【表現したいテーマが明確】という点で素晴らしいものです。【どのように見られるか意識しない】純粋さがあります。では、子どもの表現にどのように向き合いましょう?それは【絵を聴く】ことです。何を表現してくれたか聞いてあげてください。何を想って表現したのかプロセスを含めて想いを聴いてあげてください。子ども期のとても素敵な想いが詰まっていますよ。
  • 特任准教授
    新井 美津江 (あらい・みつえ)
    専門分野 / 数学教育学
    小学校入学以前の体験が入学後の算数理解を深める基盤となります。
    たくさん自然の中で遊ばせてください。
    身のまわりにある数や量、形に気づいて、楽しむ・・・そんな時間を大切にしてください。
  • 特任講師
    加藤 直子 (かとう・なおこ)
    専門分野 / 子ども学、保育学
    日々、お子さんと向き合うお父さん、お母さんにとって、子育ては「終わりのない長い旅」のように感じられるかもしれません。子どもが生まれて初めて親になる、子どもも親も一緒に成長していくためには、子育てを社会に開き、地域のみんなで子どもを育む文化を創出して行くことが大切です。子どもって面白い!今しかない、わが子の「子どもらしさ」を楽しみましょう。
  • 助教
    門𦚰 大輔 (かどわき・だいすけ)
    専門分野 / 教育学
    子どもは、どの子もより善くなりたいと思っています。これは、わたしたち人間が道徳性をもっているからです。しかし、人間ですからうまくいかず、つまずいてしまうことがあります。つまり、うまくいかなくて子どもが大泣きしてしいるときは、善くなろうとしているのにつまずいている時だということです。大人はその時にそっと支える存在でありたいものです。
  • 助教
    齋藤 正樹 (さいとう・まさき)
    専門分野 / 教育心理学
    一見理解しにくい子どもの困った行動にもたいてい意味があります。遊びや余暇、周囲の人からの注目・賞賛・慰め・援助などを得る、欲しいものを手に入れる、したいことをする、したくないことをしないため、などなどです。どんなメッセージかを判断するには、その行動の文脈を読み取ることが重要です。子どもがどんな時にその行動をして、そのことでどんな利益を得ているのか注意深く観察してみましょう。
  • 教授
    岡本 依子 (おかもと・よりこ)
    専門分野 / 発達心理学
    「子どもの頭のなかに入ってみたい!」なんて言葉を、ママやパパ、園の先生方から聞くことがあります。子どもならではのおもしろさから来ることもあれば、「なんでそんなことしちゃうの?!」というイライラや諦めが伴うことも・・・。子どもの頭のなかは不思議です。おとなの気がかりやイライラを食べて、子どもは成長しているのかもしれません。
※2022年度の子ども教育福祉学科所属の教員です。

謝辞

「気がかり MAP」の作成にあたり、熊谷市内や埼玉県内の保育所、認定こども園の保育者の方々や、子育て支援センター・ベアリス(立正大学熊谷キャンパス内)の利用者の皆さまに、たくさん協力していただきました。この場をお借りして感謝を申し上げます。

このMAPを見た方々が、赤ちゃんや小さな子どもたちを育てている毎日の忙しさの中で、ちょっとした気になること、なんとなく感じている不安を口に出して、周囲の友人・隣人・知り合いと会話したり、園の先生や園長先生、時には専門家に相談することで、子育ての大変さやストレスを少しでも軽くするきっかけとなれば幸いです。すべてのお子さまの健やかな成長をお祈り申し上げます。

立正大学学園開校 150周年にあたって

子育ては、本学の歴史をはるかに凌駕して変わらず続いてきた営みであると同時に、時代によって変化してきた側面もあります。本学園の 150周年という節目を機に、長い歴史を持ちながらも、今も変化を続けている子育てや子どもの姿を切り取って、気がかり MAPを作成しました。この気がかり MAPは、立正大学学園開校150周年事業のひとつです。また、表紙中央のロゴは立正幼稚園の子どもたちと一緒に本学山田修平准教授が作成しました。